2022年03月17日

第35期中学卒業式式辞

中学卒業式 式辞

 4月が近づくとともに、日に日に暖かい気候となりました。季節はめぐって春が近づい
てきています。まだまだ落ち着かない日々が続く中、今年は一段と春の到来が待ちどおし
く感じます。

 本日、ここに大阪青凌中学校第35回卒業式を挙行するにあたり、保護者の皆さまにご
臨席をいただき、このように厳粛に執り行えますこと、教職員一同、心よりお礼申し上げ
ます。また今日の佳き日、保護者の皆さま、ご家族の皆さまには、お喜びもひとしおのこ
とと拝察申し上げます。誠におめでとうございます。

 さて、大阪青凌中学校第35期生の皆さん、あらためて卒業おめでとう。振り返れば去
年そして今年と、3年間の内の実に2年間、新型コロナウィルスの感染予防のために、学
校生活ではたくさんの制限がありました。例えば昼食の時間。本来ならワイワイお話しを
ながらお弁当を食べるはずなのに、皆が前を向いたまま默食をしなければなりませんでし
た。日常ではマスクを着用することが、今も当たり前になっています。修学旅行の行き先も
海外から国内に変更せざるを得ませんでした。

 しかし、そのようなさまざまな制限の中でも、皆さんはクラスメート同士、お互いに助け
合い、笑顔の絶えないクラスでした。クラスメートや担任の安川先生の誕生日をお祝いした
り、時には昼食時に安川先生のお弁当をのぞき込んで、ダイエットに励む先生を応援したこ
とも1回や2回ではなかったそうですね。

 修学旅行の行き先が北海道になって、がっかりしているかと心配していたのですが、「むし
ろ国内でよかった」と、北海道の自然や食を心から楽しんでいたと聞きました。

 このように、さまざまな制限を余儀なくされた日常生活の中でも、皆さんは明るく楽しむ何
かを常に見つけていました。そのクラスの雰囲気は、私が皆さんに授業をしに行った時にも感
じたことでした。今年は「お金」が授業のテーマでしたが、皆、真剣に私の話を聞き、そして
いろんな質問にも積極的に答えてくれました。授業をする機会があまりない私は、本当にうれ
しかったです。

  このクラスの空気は、15名という少人数であったことも影響しているかも知れません。高槻現
代劇場の舞台で、青凌祭の時に披露された朗読劇「とべないホタル」では、少ない人数をカバー
するために、大道具の役割をしながら舞台に出たり、iPadを操作したりと、1人で何役もの仕事
をしなければならなかったと聞いています。劇場の暗闇の中で、多くのペンライトが灯った時、
それはまるで本当に草むらにホタルが飛んでいるかのようでした。高校生の客席からも「おー」
という感嘆の声が上がっていました。たった15名の中学生が舞台をつくっているとは思えないほ
ど、すばらしいお芝居だったことを私は今も記憶しています。

  振り返ってみると、このようなさまざまな行事やイベントを通して、皆さんは「ひとつ上の自
分」へと確実に成長し、クラスのきずなは一層強まり、そして深くなっていったことと思い
ます。

 さて、来月になれば、皆さんはもう高校生です。4月から始まる高校生活で、皆さんには、ど
のような事を心がけてほしいかを、お話ししておきたいと思います。

 高校に入ると、まずクラスの人数は倍以上になります。そして脅かすわけではありませんが、
学ぶ教科の数は増え、その内容は一段と専門的に、そして言うまでもなく高度なものになります。
これまでのように、先生や親から勉強しなさいと言われて勉強するというような受け身な態度で
は、皆さんの学習へのモチベーションを維持することは難しいと思います。ではどうすればよい
でしょうか。

 私からのアドバイスは、何か目的を持って勉強しようということです。入りたい大学がある、
つきたい将来の職業がある、その他どんな小さなことでも良いです。目標や目的を見つけてくだ
さい。目的を見つける近道は、日常生活の中から、自分の興味のあるものを探し出すことです。
皆さんが日常生活の中から楽しむ何かを見つけた時のように。そしてそれを自分の将来へと結び
つけていってください。それを見つけるプロセスは、右にいったり左に行ったり、まっすぐでは
ないかも知れません。しかし探し続けていれば、きっとその何かは見つかります。

 幸い、皆さんはこの3年間でビブリオバトルに取り組んだり、英語でプレゼンテーションをつ
くったり、文章を書いたりする習慣を身につけたはずです。それは高校生活で自分の勉強の目的
を見つける大きなきっかけとなるはずです。高校生になっても、中学でのそれらの経験を忘れず
に、是非生かすようにしてください。

 最後になりましたが、保護者の皆さまには本校の教育活動に対し、あたたかいご支援とご協力
を頂きましたこと、あらためてお礼申し上げます。また約2年間にわたりまして、新型コロナウ
ィルスの感染予防にご協力をいただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。本校は新しい島本
の地で、教育活動をスタートさせて、はや2年が経ちました。新しい青凌にご期待いただくとと
もに、今後とも大阪青凌にご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い致します。

 以上、第35期生の未来に幸多からん事を願い、私の式辞といたします。       

                                         令和4年3月17日  

                                                大阪青凌中学校校長   福力 稔