2023年02月17日
今年の冬は、大阪でも10年に1度の最強寒波が猛威を振るいました。現在も暖かい日と寒い日が交互にあり、まさに三寒四温の候ですが、朝夕、長くなった日ざしの明るさは、少しずつ、春の到来が近づいていることを私たちに感じさせてくれます。
本日、このように多数のご来賓ならびに保護者の皆さまのご臨席を賜り、大阪青凌高等学校第38回卒業式を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びです。高い席からではございますが、ご列席の皆さまに厚くお礼申しあげます。
さて、ただ今、卒業証書を授与された38期生のみなさん、卒業おめでとうございます。皆さんは、この島本の新校地で3年間を過ごした、最初の学年の生徒ということになります。
皆さんの学校生活を振り返りますと、1年次は新型コロナウイルス感染症の拡大のため、最初から大きな変更を余儀なくされました。2020年4月の入学式の翌日から6月14日まで休校期間が続き、その後も皆さんには、学校生活の中で、何かと我慢をしてもらい不自由をかけることばかりでした。
2年次以降は、少しずつ大阪青凌の教育活動が元どおりに戻っていきました。修学旅行は国内3方面で実施ができ、3年次の体育祭・青凌祭は、ともに、ようやく従来の形式で開催することができました。皆さんは、最上級生として、行動力と団結力を大いに発揮し、後輩に範を示し、行事の盛り上がりに大いに貢献してくれました。
また、この学年は、クエストカップで準グランプリを獲得するという快挙も成し遂げてくれました。
もしかすると、皆さんは「青春は密」という感覚を十分には持てなかったかもわかりません。ただ、全国の高校生同様に、この状況で学校生活を送ったからこそ、熱意と工夫をもって現状に立ち向かったからこそ、実感できたことはきっとあると思います。感謝の気持ちを忘れず、家族や友だちとの結びつきはより強固なものになったのではないでしょうか。皆さんの今後の人生において、この経験はきっと生きてくると確信します。
これから、社会は人工知能AIの発展によって、大きく変化していくでしょう。2015年の研究データによると、日本国内にある600の職業のうち、10年~20年後には約4割の仕事がなくなる可能性があると試算されています。マニュアル化やルーティーン化されている仕事はAIで代替されていくかもしれません。
一方で、医療・法律・芸術・教育に関係する職業はなくなる確率が低いとされています。つまり、これからの社会では、コミュニケーション力や課題を発見し新しいアイデアを創造する力や柔軟な判断力といったスキルが今まで以上に必要になってきます。
卒業生の皆さん、皆さんは、まもなく全員が成人となり大人の仲間入りをします。3年間の大阪青凌の高校生活で身につけた力に加えて、これからも学び続け、有意義で充実した学生生活を送ってください。そして、「ひとつ上の自分」をめざし、自分が社会で果たす役割は何なのかを見つけてください。期待しています。ただ、ふと高校生の日々が懐かしくなったときには、迷わず母校を訪ねてきてください。そこには、皆さんをあたたかく迎える先生方の笑顔が待っています。
保護者の皆さま、お子様の高校ご卒業、誠におめでとうございます。我々教職員一同、心よりお祝い申しあげます。生徒たちが精神的に自立していく時期にあたるこの3年間、多くの保護者の皆さまが、お子様が幼いころとはまた違った、ご苦労があったのではないでしょうか。加えて、この3年間、コロナ対策で、学校においてイレギュラーなことも多く、保護者の皆さまには多分にご迷惑をおかけいたしました。この3年間、本校の教育活動に対し、常にあたたかいご支援と、ご理解ご協力をいただきましたこと、あらためて、この場をお借りし、お礼申しあげます。今後とも大阪青凌にご鞭撻を賜りますよう重ねてお願いいたします。
結びに、卒業生の皆さん、過去を変えることはできませんが、これからの皆さんの未来は、自分の意思で、いかようにも変えることができます。この佳き日、38期335名の卒業生の前途を祝し、皆さんが健康で豊かな人生を歩まれることを祈念しまして、私の式辞といたします。
令和5年2月17日
大阪青凌高等学校 校長 向 忠彦