受験生とゲストのみなさまへ

2023年03月17日

中学卒業式 式辞

 3月も半ばを過ぎ、穏やかな陽気となり、明るく時には強い日差しが降り注ぐようになってきました。桜のつぼみも膨らみ、まさに春本番を迎えようとしています。

 本日、ここに大阪青凌中学校第36回卒業式を挙行するにあたり、保護者の皆さまにご臨席を賜り、このように式を執り行えますこと、教職員一同、心よりお礼申しあげます。また今日の佳き日、保護者の皆さま、ご家族の皆さまには、お喜びもひとしおのことと拝察いたします。誠におめでとうございます。

 さて、ただ今、卒業証書を授与された36期生の皆さん、中学卒業おめでとうございます。皆さんは、この島本の新校地で3年間を過ごした、中学部で最初の学年の生徒です。皆さんの学校生活を振り返りますと、1年次は新型コロナウイルス感染症の拡大のため、最初から大きな変更を避けられない事態となりました。2020年4月の入学式の翌日から6月14日まで休校期間が続き、その後も皆さんには、学校生活の中で不自由をかけることばかりでした。例えば昼食の時間。本来ならワイワイおしゃべりをしながらお弁当を食べるはずなのに、みんなが前を向いたまま默食をしなければなりませんでした。

 しかし、そのようなさまざまな制限の中でも、皆さんは、お互いに助け合い、担任の野口先生のもと、一致団結した、笑顔の絶えないクラスとなりました。生徒会活動や学校行事では、いつも後輩に範を示し、リーダーシップを発揮してくれました。後輩にとっては、とても頼りになる先輩でした。

 修学旅行では、青凌生として初めて、屋久島の縄文杉へのトレッキングに挑戦しました。野口先生の足が悲鳴を上げるというアクシデントはありましたが、みんなで登った10時間の登山は、一生の思い出になったと思います。また、この学年は、青凌祭では、2年次は「千と千尋の神隠し」、3年次は「ハウルの動く城」の演劇に挑戦しました。堂々とした演技と大掛かりな舞台背景が、とても印象に残る発表でした。

このようなさまざまな行事やイベントを通じて、皆さんは「ひとつ上の自分」へと確実に成長し、クラスの絆は一層強まり、そして深くなっていったことと思います。

 

 さて、4月から高校生になる皆さんに、自分の夢に一歩近づいた人のお話を紹介したいと思います。先月末に、JAXAが14年ぶりに実施した宇宙飛行士選抜試験の合格者を発表しました。その中の一人である、諏訪理(すわまこと)さんは46歳、歴代最年長の候補者です。諏訪さんは中学生のときに、テレビの中継を見て宇宙飛行士にあこがれ、ロケットについて調べました。そして中学生徒会長としてのあいさつのたびに、約100年前のアメリカのロケット研究者の言葉を引用しました。その言葉とは「昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実となる」です。

JAXAの発表後のインタビューでは、「自分の強みは何か」と聞かれ、諏訪さんはこう答えています。「目標を立ててそれに向かって淡々と努力をするのが得意。長時間にわたってもあきらめない粘り強さがあると自分では思っています」

 

 諏訪さんの話を例にとっても、中学を卒業する皆さんには、これから無限の可能性が広がっています。4月から始まる高校生活の中で、自分の興味関心のあるものや、打ち込めるものを見つけてください。そして、目標を定めて、勉強し努力を続け、自分の将来を切り拓いていってください。中学の取り組みで育んだコミュニケーションの力やプレゼンテーションの力に一層の磨きをかけ、高校で活躍してくれることを祈っています。

 最後になりましたが、保護者の皆さまには本校の教育活動に対し、あたたかいご支援とご協力をいただきましたこと、あらためてお礼申しあげます。また約3年間にわたりまして、新型コロナウィルスの感染予防にご協力をいただきましたこと、深く感謝申しあげます。今後とも大阪青凌にご鞭撻を賜りますよう重ねてお願いいたします。

 以上、第36期生の未来に幸多からんことを願い、私の式辞といたします。       

   令和5年3月17日  大阪青凌中学校校長 向 忠彦