2023年08月24日
高3生のみなさん、おはようございます。
先日の8月15日は、太平洋戦争の終戦から78年目を迎えた日でした。今日は3年生のみなさんに、「ラーゲリより愛を込めて」という映画の話をしたいと思います。昨年の年末に公開された映画です。
みなさんは、戦争が終わった後も、日本に帰れずにシベリアに抑留、身柄を拘束された日本の人たちのことを知っていますか。その数は約60万人に上ります。その内6万人が、日本に帰れずにシベリアで命を落としています。昭和20年8月9日にソ連(今のロシア)が、日本が統治していた旧満州(現在の中国東北部)に攻め込み、日本兵や民間人をシベリアに連行し、拘束しました。理由は、ソ連の戦後復興のための労働力の確保です。連行された人たちは、ラーゲリという、劣悪な生活環境の収容所に入れられました。逃げられないように常に銃で監視され、十分な食事も与えられず、冬はマイナス40度の気温の下、森林伐採・鉄道建設・道路工事などの過酷な強制労働に従事させられました。
その中の一人である、元日本兵の山本幡男さんという人がこの話の主人公です。山本さんたちは、身に覚えのないスパイ容疑でさらに抑留期間を延長されます。絶望して自ら命を絶つ人や、飢えや寒さで亡くなる人が絶えない中、山本さんは、自分自身、家族と交わした再会の約束を果たせることを信じ、そして、仲間に対して常に、生きることへの希望を決して失わず、みんなで一緒に日本に帰ろう、と励まし続けました。最初はあきらめていた人たちにも、山本さんの想いは伝わり、多くの人たちが山本さんを慕うようになりました。ところが、その山本さんが癌に侵されます。
余命3ヶ月となり、仲間は、山本さんに、日本の家族、奥さんと4人の子どもたちに遺書を書くように勧めます。山本さんはベッドの上で震える手で何とか書き上げたのですが、日本語で書かれた文字を残すことはスパイ行為とみなされ、すべて没収されます。抜き打ち検査があるので、見つかる前に何とかしないといけません。さあ仲間たちはどういった行動を取ったと思いますか。家族全体・子どもたち・お母さん・奥さんにあてた4通の遺書を、仲間たちは4人で分担して頭の中に一字一句漏らさず記憶したのです。全部で4500字の長文でした。残念ながらその後山本さんは現地で息を引き取ります。
そして、山本さんがいた収容所の人たちが日本に帰る日がついにやってきました。なんと終戦後11年が経っていました。そして、帰国して1年後、仲間の4人は順番に遺書を伝えに山本さんの自宅を訪れます。これは実話です。映像を見ると改めて感動すると思いますので、機会があれば見ることをお勧めします。
約2週間後に、みなさんにとって高校生活最後の青凌祭が開催されます。体育祭でも発揮してくれた、高3生のみなさんの結束力で、みんなが笑顔になるように、青凌祭の2日目を大いに盛り上げてください。よろしくお願いいたします。
そして、2学期には大学入試が始まります。10月から総合型選抜の入試、11月からは学校推薦型選抜の入試が始まります。来年の3月まで、自分の進路を決める大事な時期となりますが、大丈夫です。皆さんの周りには一緒に受験する仲間がいます。サポートをしてくれる家族・学校の先生がいます。悔いのない受験のスケジュールを立てて、努力を惜しまないでください。
これで2学期始業式の話を終えたいと思います。ありがとうございました。