2023年12月25日
おはようございます。2学期終業式にあたり、みなさんに、あるお寺のご住職のことをお話したいと思います。そのお坊さんとは、大阪市平野区にある専念寺というお寺の、藪本正啓(やぶもとまさひろ)さんです。藪本さんは以前から、普段の生活や人との関わりをとおして、気づいたこと・感じたことをメモに書き留めてこられました。そして、その言葉を半紙に書き、毎朝一つずつお寺の掲示板に貼るとともに、SNSで発信されてきました。住職が、自分の経験を通じて感じた、ありのままの言葉なので、多くの人たちの共感を得ています。今年の夏以降、発信するたびに、1万以上の「いいね」が集まり、フォロワー数は20万人を超えているようです。
以下、私の心に響いた言葉をいくつか挙げます。
「言葉にしなくても伝わっているというのは都合の良い思い込みです。」
「正しい意見でも思いやりがなければ言われた人は傷つく。」
「あなたの普通を押し付けてはいけません。普通は人によってそれぞれです。」
「自分が相手に言いたいことは必ずしも言わなければいけないことではない。一旦冷静に。」
これらの言葉は、藪本さんが自分の行動を相手の立場に立って考えている言葉、自分に向けた言葉です。なので多くの人の共感を得ているのだと思います。
これらの言葉を聞いて、みなさんの中には自分の行動を振り返って、自分にも思い当たることがあるかもしれません。私自身にもあります。知らず知らずのうちに相手に嫌な思いをさせていることがあるかもしれません。ぜひこれらの言葉が言わんとしていることを心にとめておいてほしいと思います。きちんと自分の気持ちは言葉で伝える。でも、その時に自分の考えだけを押し付けていないか、その言葉に思いやりはあるのか。そのことを考えて発言することが、きっと人との円滑なコミュニケーションにつながっていくのだと思います。
藪本さんは、「これからも誰かの心に寄り添う言葉を届けていきたい」と語っておられます。
さて、2学期を振り返ると、大きな学校行事がありました。青凌祭・高2修学旅行・中学海外研修、いずれも、久しぶりに青凌の本来の形式・内容で実施ができました。みなさんは、それぞれの行事で充実した体験をすることができたと思います。
また、多くの高校3年生のみなさんが、年内の総合型選抜・学校推薦型選抜の大学入試に挑戦してくれました。そして、大学入学共通テストが年明け、目前に迫っているので、冬休みは生活のリズムを崩さず、受験勉強に取り組んでください。
最後に、長期休みの時にいつも言っていることですが、この年末年始の時間がある時に、ぜひ本を手にとってください。本日配信されている「教員おすすめ本」なども参考にして、ぜひ本の活字に触れてください。本を読み続けると、言葉を覚え理解し、言葉を適切に使用する力が身に付きます。読書量と語い力はまちがいなく相関があります。興味関心のある内容の本でいいので、まずページをめくってください。
2学期終了にあたり、私の話は以上です。ありがとうございました。