受験生とゲストのみなさまへ

2024年07月25日

2024年度 第1学期終業式あいさつ(7月24日)

 生徒のみなさん、おはようございます。本日、1学期の終業式を迎えました。1学期、お疲れさまでした。

 始業式のときに、礼儀正しい人になるための基本動作を3つ紹介しました。一つめは「笑顔を絶やさない」、笑顔は、周囲の人たちも笑顔にし、幸せな気持ちにします。二つめは「他人に感謝を伝えられる人になる」、三つめは「人の話に耳を傾ける」

 みなさん、自分がどれだけ意識してできたか、振り返ってみてください。2学期以降も、この3つの行動をぜひ心がけてください。実行できる人が増えてくれば、まちがいなく人間関係が深まり、集団としての力が向上します。

 

 さて、新学年が始まった1学期は、みなさんの中には、何かとストレスを感じることが多かったかもしれません。

 脳科学の研究者、東京大学大学院教授である、池谷裕二先生のことばを、みなさんに紹介したいと思います。池谷先生は、「ストレスを感じても自分はいつでも解消できると信じていること、つまり、ストレスを解消する方法が自分にはあるんだと思えること、が大切なんです」と言っています。

音楽を聴く・ショッピングをする・おいしいものを食べる・スポーツで体を動かす・本を読む・ゲームをするなど、何でもいいですから自分なりのストレスからの“逃げ道”を持ってください。しんどくなった時には、好きなことに取り組んで、一休みしてください。

 それともう一つ、池谷先生が脳科学の観点から興味深いことを言っています。睡眠も学習の一部分であって、私たちの仕事や学習の効率を高める働きをしている、ということです。時間とともに記憶は薄れていくものですが、十分に睡眠をとった人ほど、忘れかけた情報を呼び起こして記憶を補強することができる、という研究結果があるようです。

 たとえば、類似したもの、英単語などを詰め込んで覚えようとすると、学習効率が悪くなることが判明しています。これは「記憶の干渉」と呼ばれる現象で、記憶がいつのまにか入れ替わってしまうということがあるようです。それを防ぐために、先生は次の研究結果を紹介しています。学習間隔を十分にとれば、紛らわしい情報でも正確に覚えられる。似た情報を脳に送るとき、頭が混乱しないように間隔を十分(6時間以上)あけて習得する。そして十分な睡眠が記憶を強化してくれる。科目によっては、毎日少しずつ勉強するのがよい、ということです。夏休みの学習スケジュールを立てる際に参考にしてください。

 

 終わりに、夏休みには、ぜひ読書の時間を楽しんでほしいと思います。映像もよいのですが、想像力を働かせてその世界に入り込むのは活字が一番です。本を読むと、言葉を覚え、理解しようと頭を使います。本日配信されている「先生たちのおすすめの本」を参考にしながら、夏休みに、ぜひ本を手にとってください。

1学期終業式にあたり、私の話は以上です。ありがとうございました。