受験生とゲストのみなさまへ

2024年12月25日

2024年度 二学期終業式あいさつ

 生徒のみなさん、おはようございます。

 突然ですが、誰だって、普通に生活を送っていても、やり場のない怒りを感じてしまうことがあります。放っておくとストレスとなり、冷静に客観的な判断ができなくなることもあります。

 新聞で、ごく簡単な行動で即座に怒りを鎮め、平常心を取り戻せる方法が明らかになった、という興味深い記事を見つけたので、みなさんに紹介したいと思います。

 怒りを鎮めるためのさまざまな方法が以前から考案されてきました。ハーバード大学の研究チームは、怒りを感じたら深呼吸をして落ち着くことを推奨しています。ただ、その効果については科学的な手法による実証は行われていません。散歩やスポーツによる気分転換も、手軽ですが、同様に効果が実証されているわけではありません。

 こうした中、名古屋大学の研究チームが、ごく簡単な行動で怒りを鎮める方法を発見しました。それは、怒りを感じた際、そのときの状況や気持ちを客観的に紙に記入し、丸めて捨てるというものです。川合教授は「この手法なら、どこでも簡単に怒りを抑制できるようになる」と話されています。

 効果を確認するため、チームは次のような実験を行いました。まず学生50人に、路上喫煙や学費値上げをテーマに意見を書かせました。それに対して、わざと「知能や合理性、論理性が低い」など、侮辱的な言葉で低い評価を伝え、学生たちに怒りを抱かせました。そして学生の怒りの度合いを示す「怒り得点」というものを算出しました。怒りの度合いは実験前に比べて、はね上がっていました。

 次にチームは、低い評価を与えられた際の気持ちなどについて、客観的に詳しく紙に書かせました。この紙を、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てさせたところ、算出した怒り得点は実験前とほぼ同じ水準まで下がりました。紙をシュレッダーに入れて裁断させた場合も、同様の効果であったということです。

 チームはこの結果について、怒りを投影した物体である紙が廃棄されてなくなることで感情が抑えられたと判断し、怒りの抑制に、この方法が有効であると結論づけました。

 怒ったときに自分の気持ちを落ち着けるために、ぜひみなさんも一度試してみてください。

 

 さて、2学期を振り返ると、大きな学校行事がたくさんありました。青凌祭・中2民泊・高2修学旅行・中3海外研修。みなさんは、クラスや学年の仲間と一緒に、それぞれの行事で思い出をいっぱいつくり、充実した経験や体験をすることができたと思います。

 また、多くの高校3年生のみなさんが、年内の総合型選抜・学校推薦型選抜の大学入試に挑戦してくれました。そして、大学入学共通テストが年明け、目前に迫っているので、高3生のみなさんは、冬休みは生活のリズムを崩さず、受験勉強に取り組んでください。

 

 最後に、いつも言っていることですが、この年末年始の時間がある時に、ぜひ本を手に取ってください。マイケルジャクソンも次のように言っています。「もっと多くの人に本を読むようにアドバイスしたい。本の中には、まったく新しい世界が広がっているんだよ」 本日配信されている、先生たちの“おすすめの本”なども参考にして、ぜひ映像ではなく本の世界に浸ってください。

 2学期終業式にあたり、私の話は以上です。ありがとうございました。