校長ブログ

2017年10月10日

「ドリーム」

  

 

 

映画「ドリーム」が公開中です。
この映画は、アポロ計画の頃のNASAが舞台なのですが、なんとこの頃のNASA
では、まだ本格的にコンピューターは導入されておらず、ロケットの速度や軌道
の計算を、人がやっていたようなのです。私もこの映画を見るまで、知りません
でした。
そこで登場する3人の女性たち。彼女たちは数学の天才なのですが、皆黒人で、当
時のNASAで働くには、同時に差別と闘わなければなりませんでした。例えば、あ
るビルには、黒人が入ることのできるトイレが全くない。そのため、トイレに行く
たびに、なんと800m先のビルに走っていかねばならないという具合。
上司役のケビン・コスナーがそれを知って、どうするか。それはぜひ映画でご確認
ください。
映画の原作は、マーゴット・リー・シェタリーのノンフィクション小説『Hidden
Figures』。そのまま訳すと「隠された人たち」となるでしょうか。表の歴史から
「隠された」黒人女性の活躍が、全編にわたって小気味よく描かれています。
この映画のシーンでも出てくるのですが、グレン宇宙飛行士は、コンピューターの
計算よりも、3人のうちの1人であるキャサリン・ジョンソンの計算を信頼していた
と言われています。
人種による分断が再び起きているとも言われる米国で、今、この映画が上映される
意義は、決して少なくないと思います。
福力