2018年08月25日
大阪北部地震の発生から約2カ月。まだその被害は北摂のあちこちに残ったままです。
あの地震はどのようなものだったのか。ここで今一度、振り返っておきたいと思いま
す。
まず地震の規模を示すマグニチュードは6.1でした。この規模は中程度と言えるようで
すが、震源が13キロと浅く、これが今回の大きな揺れにつながりました。典型的な「
直下型地震」だったのです。
東日本大震災、熊本地震などなど、ここ数年、日本列島で中~大規模の地震が多発して
います。これら一連の地震について、文藝春秋8月号で、京都大学の鎌田教授が小論を
書いておられるのですが、その内容が衝撃的だったので、要諦を少しご紹介します。
鎌田教授は、過去、日本列島に起こった一連の地震を調べることで、近未来の予測が
ある程度できると言います。とりわけ確実に起こるといわれている南海トラフ地震と、
一連の内陸に発生する直下型地震には、一定の関係が認められるそうです。
その関係とは、「経験的に、南海トラフ巨大地震発生の40年くらい前からと、発生後
10年くらいの期間に、地震発生数が多くなる傾向がある」ということです。
そして「これまでに日本で発生した最大震度6弱以上の内陸型直下地震を調べてみると、
1944年の昭和東南海地震以後に58回起きているが、そのうちの約八割にあたる50回が
1995年の阪神・淡路大震災以後に起きて」います。鎌田教授は、これらのデータから、
日本は95年の阪神・淡路大震災以後、地震の活動期に入ったと考えられ、過去のデータ
から、この後、中~大規模の内陸地震が多発し、最後に南海トラフ巨大地震発生につな
がっていくと予測します。
特に、この「南海トラフ巨大地震の発生が確実視される21世紀」と、「巨大地震が頻発
した9世紀」は非常に酷似していると言うのです。では9世紀に日本で起こった一連の地
震発生を、今の時代に当てはめると、具体的にどのような予測ができるのでしょうか。
次回に続きます。
福力