2018年12月17日
気づけば、今年もあと2週間を残すだけとなりました。
年の瀬は、何かとせわしい日々が続きますが、時にはネットやテレビから離れて本を
読むのも、年末ならではの過ごし方ではないでしょうか。
おすすめの1冊目は、『ののはな通信』。作者は三浦しをんさんです。
この小説がユニークなのは、全編が2人の女性の手紙のやりとりで構成されている点で
す。野々原茜と牧田はな、この2人の名前の2文字をとって、「ののはな通信」。
このような形式の小説は、宮本輝さんの『錦繍』を思い起こさせますが(これも感動し
た小説でした)、この小説の主人公は2人とも女性です。
最初の数十ページを読んだ時には、おそらく2人の女性が成長していって、結婚して(ある
いは離婚して)それぞれの家庭を持ちながら、悩みを共有したり相談したりする内容なの
かなと想像していたのですが、さすが三浦しをんさん、50ページを過ぎたあたりからの全
く想像もつかない展開に驚かされました。
何を書いてもネタバレになりますので、興味がある方は、とりあえず読んでみてください
としか言いようがないのですが、450ページを長いと感じさせない展開は、さすがでした。
小説の時代背景が現代と同時進行なのも、読者によりリアリティを感じさせる要因になって
いるのではと思います。私はついつい寝る時間が遅くなってしまいました。
福力