校長ブログ

2021年12月14日

ゲリラ・ガールズ

年末の大阪。新型のウィルス株の出現に不安な日々ですが、感染状況は今のところ
落ち着いています。人々は感染対策をしながらも、少しずつ街に出始めている印象
です。この状況が続くことを祈らずにはいられません。

 

さて現在、大阪市立美術館で「メトロポリタン美術館展」が開催されています。今
回来日している作品は65点。うち46点が日本初公開とのこと。先月に入場予約して
早速見てきたのですが、500年にわたる絵画の作品をほぼ年代順に見ると、「美」に
対する見方が年代とともに大きく変化していく様を感じずにはいられませんでした。

 

今回の作品展に関する感想はさておき、皆さんは「ゲリラ・ガールズ」という言葉を
聞いたことがおありでしょうか?私もつい最近、絵画に関する雑誌を読んでいて知った
のですが、これはゴリラの仮面で活動する女性アーティストの集団の名前だそうです。
彼女らは、女性アーティストの作品がこれまで正しく評価されてこなかったことや、
絵画のヌードといえば「女性」という考え方に異を唱えているのです。
例えば、メトロポリタン美術館の収蔵作品に対するゲリラ・ガールズのポスター(メト
ロポリタン美術館に入るには、女性は裸にならなければならないの?)には、
次のようなセンテンスがあります。

Less than 5% of the artists in the Modern Art sections are women, but 85% of the nudes
are female.

(メトロポリタン美術館の)モダンアート部門の女性アーティストの作品は5%以下、
なのにヌードの作品の85%は女性だ。

 

女性アーティストの作品が正しく評価されてこなかったのは、おかしいのでは?という
ことで、その見直しが世界中で起こっているのだそうです。時代が変われば、美に対する
価値観だけではなく、そのもっと根底にある観念にまで疑問が起こってくるのはとても
興味深いと思います。今回のメトロポリタン美術館展、大阪での開催は2022年1月16日まで
です。
福力