2019年07月18日
フェイスブックが「リブラ」というデジタル通貨を2020年を目処に発行するとの計画
が明らかになり、批判の嵐が巻き起こっています。この批判の原因は、遠くない過去に
フェイスブックから大量の個人データが流出したことと無縁ではありません。
しかしそれ以上に、FRBや日本銀行といった各国の中央銀行が「リブラ」を、自分たち
の勢力の基盤を脅かすものとして捉えていることが大きいと思います。
フェイスブックの利用者は世界で27億人。もし「リブラ」が実現すれば、人々は国内国
外を問わず、ほぼ手数料なしでお金を受け取ったり送ったりすることが可能になります。
特に海外とのやりとりには、面倒な為替差損が発生しません。ATMのない新興国や、貧
困ゆえに銀行通帳をつくることさえできない人も、スマホさえあれば銀行に頼らず、買
い物の決済や送金をすることができるようになります。まるでメッセンジャーでメッセ
ージを送るように。
一方で、これが急速に広まると、銀行はその存在意義を失いかねません。また中央銀行
は、独占的にもっている通貨を発行するという機能、経済を安定させるために金利を上
げ下げするという機能、それらがこれまでのような力を持たなくなるかも知れません。
つまり、金融における革命を起こす潜在力を「リブラ」は持っているのです。
この革命的なシステムは、そのキーとなるICT技術によって支えられています。それが
ブロックチェーンと呼ばれる技術です。
次回はそのことについてとりあげます。
福力