校長ブログ

2019年07月19日

デジタル通貨「リブラ」②

お金の流れや金融政策に革命的な変化をもたらす「リブラ」。このデジタル通貨は、ICT
技術によって成り立っている。その技術がブロックチェーンだと申しました。
ではこのブロックチェーンとは、どのような技術なのか。
まずこの技術は、正体不明の人物の論文からスタートしています。著者の名前はサトシ・
ナカモト。普通に読めば明らかに日本人の名前ですが、英語の使いこなし方が日本人ぽく
ないので英語を母国語とする人物ではないかとか、複数の人物がいてそれらを総称する名
前として、この名前が使われているのではないかとも言われています。ともかく正体は今
もって明らかではありません。しかしその論文はわずか9ページで、ネット上で今も読む
ことができます。
※https://bitcoin.org/bitcoin.pdf(原論文:英文)
※http://www.kk-kernel.co.jp/qgis/HALTAK/FEBupload/nakamotosatoshi-paper.pdf(日本語訳)

では、サトシ・ナカモトの正体はさておき、その内容はどんなものなのか。簡単に説明し
ますと、お金の取引の台帳のすべてをユーザーで共有することで、取引を承認しかつ信頼
を得ようとするもの、と言うことができます。
私たちが利用している今の銀行を主体とした金融サービスは、その取引のすべてを銀行の
メインコンピュータ(サーバー)が記憶しています。たとえば私がA銀行の口座をもってい
るからといって、私がA銀行を介在したすべてのお金の取引を見ることはできません。それ
はA銀行のメインサーバーにのみ残されており、かつまたA銀行に承認されることでのみ、取
引は有効となります。しかしブロックチェーンでは、その承認を特定の機関ではなく、ユーザ
ーすべてで行おうというわけです。それを可能にしているのは、今や世界中に張り巡らされた
ネットワークであり、高度に進化したコンピュータ(スマートフォンを含む)なのです。
次回はその技術の中身を、論文にそってもう少し詳しく見てみたいと思います。
福力