校長ブログ

2017年11月14日

バルフォア宣言から100年

今日の朝日新聞(2017.11.14)10面に、バルフォア宣言から100年経ったことについ
ての記事が出ています。
バルフォア宣言と聞いて、何の宣言かがぱっとわかる人は、おそらく世界史を選択
している、またはしていた人だけかもわかりません。
簡単に言うと、この宣言は英国の外相が1917年に出した書簡で、パレスチナの地に
ユダヤ人の国家を設立することを支持したものです。言うまでもなく、これが後の
イスラエル建国につながります。
しかし英国は同時にアラブ人にも、この地に独立国家を建設することを支持(フサ
イン・マクマホン協定)しており、これが中東混迷の根源と、一般的には言われて
います。世界史の教科書でもそのように記述しているものが多いと思います。
しかしこの記事では、当時の英国外相のひ孫のバルフォア卿がインタビューに対し
て、この宣言を、その後起こったナチスによるユダヤ人虐殺を考慮に入れて、「宣
言は歴史上、最も成功した人道行為の一つだ」と答えています。そのような見方も
あるのかと驚かされました。
歴史は見る者の立場や位置によって異なるものだと言いますが、この記事はまさに
それを象徴するものでした。
福力