2018年10月3日
大学共通テスト(2021年1月実施)で導入されることが決まった英語民間試験の扱いに
ついて、導入するのかしないのかで揺れていた東京大学の基本方針が決まったようです。
読売新聞(2018.9.26)によりますと、東大は先月の25日、英語の民間試験について、
「入試の出願資格として成績を活用するものの、提出を必須としない」(同記事)とい
う基本方針を決めたとの事。
少し詳しく記事を引用しますと、「英語力を6段階で評価する国際標準規格「CEFR」で
下から2番目にあたる「A2」(実用英語技能検定の場合、準2級程度)以上を出願資
格」とするものの、「民間試験は必須とせず、高校教員が調査書で同様の英語力を認めた
場合なども出願できる」(同記事)としています。これは事実上、「外部試験は受けなく
てよい」と言っているのに等しい内容です。
英語の民間試験導入については、従来から①異なる民間試験の比較に「CEFR」を使うこ
と自体が疑問、②民間試験を受ける機会が少ない地方の高校生や、経済的要因から複数回
受験することが可能な生徒とそうでない生徒との格差が問題等、さまざまな疑問があがっ
ていました。
それらの懸念等を考慮したと考えると、東大の基本方針は妥当なものと思いますが、この
基本方針は、今年3月に国大協が発表したガイドラインに明らかに反しています。他の大学
にも大きな影響を与えると思われる東大の基本方針、今後の行方が注視されるところです。
福力