2019年04月27日
さて、池上さんと佐藤さんは、新しい大学入学共通テスト(正確にはプレテスト)を、
どのように評価されているでしょうか。さっそくお二人のコメントを本書からひらっ
てみます。
池上「非常によくできている。国語に関しては、画期的と評してもいいくらい」
「(2017年5月に公表された国語のプレテストは)、文字通り生きた教材」
佐藤「結論を言えば、全体としてはいい問題だというのが、私の評価」
「一回目のプレテストの数学と現代社会を解いてみた結果、非常にいいと感じた」
※文章は少し修正をしています。
上のように、2人の新テスト(正確にはプレテスト)に対する評価は、「絶賛」と言っ
てよいほど、かなり高いものとなっています。しかし、このプレテストに対するメディ
アでの評価は、実はさんざんでした。なぜかというとそれはこのプレテストの結果が、
あまり芳しくなかったからです。
国語の記述式問題のうち、最も長い文章を書かせる問題の正答率は、わずか0.7%。数学
でも、出題された記述式の問題の正答率は、3問ともすべて1割未満にとどまったのです。
この結果について、2人はどうコメントされているでしょう。以下に挙げてみます。
池上「国語の記述式が難問だったと言うけれど、日ごろから新聞を読んでいるような
小学六年生ならば、丁寧に考えていけば解ける問題」
佐藤「良問が解けないのは、それに対応する学力が、中学・高校で育まれていないと
いうことです」
プレテストの内容が問題なのではない、新しい問題に対処する教育がまだ行われていない
のが問題なのだ、というのがお二人の共通したコメントのようです。
福力