校長ブログ

2020年04月6日

新型コロナウィルス③

今回の新型コロナウィルスによって引き起こされる症状(鼻水、咳など)の中で、鼻水
に含まれるウィルスの量が顕著に多いということが医学系ジャーナルに発表されている
そうです。
つまり感染した人がくしゃみをしたり、おしゃべりすることで唾液を含んだ飛沫が空気
中に出て、感染につながります。またこれはよく言われることですが、ウィルスがつい
た手でドアノブや電車内のつり革、サラダやパンをはさむトング、スポーツジムではウィ
ンドミルの取っ手やバーベルをさわることでウィルスが付着し、その手で口や目をさわる
ことで感染してしまいます。感染のキーワードは「飛沫感染」と「接触感染」です。そし
てウィルス量が多いので、普通の風邪よりも感染しやすいということのようです。やはり
手洗いは大事ですね。

さて今回のウィルス感染、この先はどうなるのでしょうか。そこについて前出の峰研究員
は、「収束を定義するのはむずかしくなるだろう」と予想しています。
今、各国政府が行っている行動制限は、流行のピークを下げ、流行の波の高さ(ピーク)を
なるべく低くするということが目的です。ただそうなると、頭の中でゆるやかに曲線が上が
っていってゆるやかに下がっていくグラフ(なだらかで長い曲線)を想像するとわかるよう
に、収束するまでに相当の時間がかかるということなのです。
イメージでいうと、2009年に発生した新型インフルエンザの収束に近いようです。つまりあ
る程度感染が広まり、それに対するワクチンができるまでに社会が受容する環境がととのっ
てくる、というプロセスです。短期間での収束はどうも難しいようです。

加えて2009年との大きな違いは、最初に挙げた中国の国力伸長以外に、SNSが広く世の中で
使われるようになったことが挙げられます。WHOはパンデミックという言葉とともに、イン
フォデミックという言葉を使っているようです。情報が感染するように広がっていって、その
中には流言やデマも発生するとの危惧があるようです。
「正しくおそれる」ということは、「言うは易く行うは難し」ですが、私たちはできるだけ
正確なデータに基づいた科学的な知見を選り分けて、このウィルスとの長期戦に臨む必要が
あるということでしょう。
福力