校長ブログ

2018年09月20日

日航機123便②

前回の続きです。まず『遺物は真相を語る』という青山透子さんの著書。この本の著者、青
山さんは、昨年も『日航123便 墜落の新事実』(河出書房新社)を出版され、その内容につ
いては、このブログでも詳しくご紹介しました。(2017.8.29)
彼女が取材してたどりついた推論は、「相模湾で訓練していた自衛隊の護衛艦「まつゆき」
が発射した誘導ミサイルが、何らかの理由で誤って日航機に接触、垂直尾翼を破壊し、それ
が直接原因となって日航機は墜落した。そしてその事実を隠蔽するため、墜落場所は意図的
に発見が遅らされ、先に秘密裏に現場に到着した自衛隊が、証拠を隠滅するために火炎放射
器を使って現場を焼き払った」という、俄には信じがたいものでした。
今夏、出版されたこの本では、あらためて日航機墜落の直前から、国産ミサイルの開発が佳
境を迎えていた事を当時の新聞等で示し、あわせて墜落現場から見つかったさまざまな遺物
を化学分析にかけて、その成分を調べることで、自らの推論が正しいことを論証しようと試
みています。
彼女はまず、ジェット燃料であるケロシン(成分は家庭用の灯油に近い)で、人間の体が炭
化するほど燃えることはない、と言います。御巣鷹山の峰に広範囲に広がった多くの遺体は、
性別が判別できないほど炭化していました。
さらに今回の著書の中で、彼女が成分分析にかけたのは、墜落現場から採取した何とも形容し
がたい「塊」2つ。それらを、どこから採取したかを伏せて、金属材料の研究でトップクラス
のT大学工学部(実大学名は明らかにされていません)に、分析を依頼しています。
その結果はというと、航空機の機体を構成しているジュラルミンに含まれるアルミニウムを除
くと、多くの硫黄とベンゼンが検出されたというのです。その分析結果から、青山氏は「あの
日、上野村の墜落現場の山奥で、ジェット燃料ではなく、ベンゼンが含まれる大量のガソリン
が用いられ、航空機の構造物であるジュラルミンが融解してドロドロになって固まり、その中
に硫黄成分を含むゴムのような粘着性の高い物質が含まれていた、という事実は、武器使用の
可能性を最大に高めた結果となったのはまちがいない」(本書143ページ)という、前著と同じ
結論に至っています。
福力