2020年11月11日
『社会人大学人見知り学部 卒業見込』(角川文庫)を読んで以来、若林
さんの新作エッセイを待ち望んでいました。今作も期待に違わずでした。
今作は、キューバ、モンゴル、アイスランドへの旅行記なのですが、彼が
なぜこれらの国に行ったかというと、「経済システムに自分の生き方がこ
んなにも影響を受けていることに驚いた。そして、一人の人間の価値観が、
その時代やその国のシステムの影響を強く受けるとしたら「他の国はどう
なのよ?」と気になった。」(作者あとがきより)からだそうです。
なので、3つの異国を訪れながらも、たびたび若林さんは、日本との比較
を内省します。そこも大変興味深いのですが、いつものように「人見知り」
の彼が現地で巻き起こすエピソードに、心の底から笑い転げさせられます。
特にアイスランドでオーロラを見に行った時のエピソードは、読んでいて
声を出して笑ってしまい、ベッドで読んでいた私は覚醒した頭を抱えて、
その夜は、なかなか眠りにつけませんでした。オードリーは知っているけ
ど、若林正恭さんのエッセイを読んだことがない人におすすめします。
福力