2021年05月21日
先々月に文部科学省が始めた「教師のバトン」プロジェクト、ご存じでしょうか?
これは教員の仕事の魅力を現場の教員に語ってもらい、教員志望の大学生を増やそ
うというプロジェクトでした。文部科学省が危機感を持つほど、教員の志望者はこ
こ数年、減少傾向が続いているのです。
ところが、ツイッターで始めたこのプロジェクトには、現場の教員から悲痛な声が
多数寄せられ、いわゆる「炎上」状態になってしまったのです。
その声を抜粋した朝日新聞の記事を引用しますと、
「22時30分退勤。他の先生方も同様。残業代つけれないなら、本当に業務量減らし
てください。苦しいです。」
「初めて月の超過労働時間が100時間を超えた。残業代を計算してみたら時給80円」
「教科書が新しくなるのに、毎日怒涛のような日々でその教科書に触れる時間が1秒
もない」 (朝日新聞 2021.4.27より)
今もツイッターで「#教師のバトン」と検索すると、同様の声が上がり続けています。
朝日新聞の記事(2021.4.10)によると、プロジェクトを所管する文科省総合教育政策
局の義本博司局長は、「社会から注目いただいていると前向きにとらえ、厳しい訴え
を率直に受け止めて、働き方改革を加速する」と語ったそうです。
世間の注目を集めるために意図的にこのプロジェクトを立ち上げたとしたら、それは
大成功といえますが、とてもそうとは思えません。
大阪青凌でも、さまざまな「働き方改革」を進めてきましたが、この「炎上」は決し
て他人事ではなく、もって他山の石としなければと改めて感じました。
福力