2023年07月24日
生徒のみなさん、おはようございます。
これからみなさんにお話しする内容の前半は、本日配付される保護者会だより「あおぞら」に掲載されていますので、あとで目を通しておいてください。
3月にWBCで優勝を果たした「侍ジャパン」の栗山英樹監督の著書が再び話題となり、ベストセラーとなりました。
その『栗山ノート』の中に「稚心(ちしん)を去る」という言葉が出てきます。
実は、この言葉は大阪青凌が開校当初から少し前まで、先生たちが、生徒のみなさんに校訓とともに言い続けてきた言葉なのです。
これは、幕末の志士である橋本左内という人が残した言葉です。
橋本左内は、西郷隆盛や坂本龍馬とも親交のあった福井藩の思想家ですが、安政の大獄で弾圧を受け、25歳の若さでこの世を去りました。
その左内が15歳のときに、自分自身の人生訓として、『啓発録』という書を書き上げています。
その第一項が「稚心を去る」です。
「稚心を去る」とは、幼い考え・わがままな考え・甘えた考えを捨て去り、自分の行動に対して自分で責任を持つということです。
その他の教訓についても紹介します。
二つ目は「気を振う」。努力しないで人に負けるのは恥ずかしい、懸命に努力して自分を磨くということです。
三つ目は「志を立つ」。自分の人生の目標を決め、どのように生きるかの方向性を定めるということです。
四つ目は、「学に勉(つと)む」。常に学び続け、目標を達成するまで継続するということです。
五つ目は「朋友を択(えら)ぶ」。互いに切磋琢磨できる友を選び、何かあったときに、心から相談できる友を何よりも大切にするということです。
幕末の志士にふさわしい気骨あふれる言葉ですが、その考えは、現代の中高生のみなさんにも十分に共感できるものだと思います。
特に、「稚心を去る」という言葉は、大阪青凌の多くの卒業生が聞いてきた言葉なので、ぜひ、在校生のみなさんも覚えておいてください。
次に、6月14日に、玄関横に青いモニュメント時計が設置されました。
改めて私からみなさんにお伝えします。
あのモニュメント時計は、昨年7月に、闘病の末お亡くなりになった数学科の小石智也先生のご家族からの学校へのご寄付と、同窓会からの援助をもとに設置されたものです。
小石先生は大阪青凌の卒業生です。
時計の名称は「叡智の刻(とき)」です。
叡智とは、深くすぐれた知性という意味です。
「智」の漢字は小石智也先生の「智」という漢字です。
この時計が完成したことに対して、私自身は喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。
みなさんは登下校の際に毎日目にすると思います。
学び舎にピッタリのモニュメント時計ですので、みなさんにも愛着を持ってほしいなと思います。
終わりに、夏休みには、ぜひ読書の時間をとってほしいと思います。
気分転換をしたい時に、映像もよいのですが、想像力を働かせてその世界に入り込むのは活字が一番です。
本を読むと、言葉を覚え、理解しようと頭を使います。
夏休みに、ぜひ本を手にとってください。
1学期終業式にあたり、私の話は以上です。
ありがとうございました。