校長ブログ

2017年11月17日

COP23

ドイツのボンでCOP23が開かれています。ちなみにCOPとはConference of Partiesの略
で、条約を締結した国の会議という意味です。話し合っている主題はもちろん「地球温
暖化(global warming)をいかに止めるか」で、その条約名を国連気候変動枠組み条約
といいます。
また後ろについている数字は、会議の回数を表し、有名なところを挙げると、1997年に
京都で開かれたものがCOP3、2015年にパリで開かれたものがCOP21。それぞれの会議
で京都議定書、パリ協定が参加国の合意で決定されました。(池上さん風になってしま
ってすみません。)
今回のCOP23では、発展途上国が先進国の取り組みが不十分だとして、2020年までの
進展状況を検証する場を設けるよう強く求めています。発展途上国からすれば、今まで
さんざん化石燃料を使って地球を温暖化してきたのは先進国ではないか、という思いが
あるのは当然だと思います。
しかしご存じのように、あろうことかその最大の先進国である米国が、取り組みの枠を
議論するどころか、パリ協定そのものからの離脱を表明してしまいました。
現在、この協定に参加している国は196カ国。この数字は、ほぼ世界中すべての国と言
ってよいでしょう。その中で、米国だけが脱退しようとしているのです。
このことを欧米のメディアでは、America Firstではなく、America Aloneだと批判して
います。
昨日のNHKクローズアップ現代に、米国のゴア元副大統領が出演し、これまでの地球
温暖化をくいとめる彼の啓蒙活動が紹介されていました。彼の発言で印象的だったのは、
化石燃料に携わる企業のネットワーク、政治力は強大で、その圧力をはねかえすのは、
非常に困難だという内容でした。
米国が正式にパリ協定から離脱するのには、手続き上、約4年ほどかかると言われていま
す。ですから米国が離脱するのは、次回の大統領選挙(2020年)以降。それまでにゴア
氏の啓蒙活動が実って、米国が脱退をとどまることを祈るばかりです。
福力