2018年10月18日
今朝のニュースを見て、一瞬、驚かれた人も多かったのではないでしょうか。実は私
もその一人なんですが。そのニュースのタイトルが、これです。
「グーグル、アプリ有料化」(日本経済新聞 10/18朝刊)
よく読むと、「欧州域内で売るスマートフォンについて」という限定がついていて、
「ほっと」させられたのですが、今や日常茶飯事といってよいほど、Gmailやグーグル
マップ、そしてYou tubeを使っていて、しかもそれが「無料」であることを前提と考え
ている身からすると、それが突然「有料化」するのかと驚かされた訳です。
記事にある通り、最近、EUはグーグルをはじめとするグローバルな経済活動を行ってい
る巨大IT企業に対して強行な態度を示しつつあります。その根底には、これらの巨大企業
が公正な競争を阻害しているのではないか、あるいは巨大な利益にともなうはずの妥当な
税を支払っていないのではないかという疑問があるのです。
今回、EUがグーグルに対して指示した制裁金は、なんと4千万ユーロ(日本円で約5,641億
円)。この巨額な罰金に対して、グーグルがその対抗手段としてとった対応策がアプリの
有料化というわけです。
しかし日経の記事にあるように、このような制裁がEUが主張するような競争を促進するか
については、現実的にはかなりの疑問符がともないます。なぜなら「検索ソフトは性能で
グーグルが圧倒的な優位にあり、IT業界では「いまさら競う意味がない」のが共通認識と
なっている」(同記事)からです。
この争いをめぐる裁定が出るのは29日以降になりそうですが、このニュースは、巨大IT企
業に対抗するのは、もはや国家レベルでも困難になってきているという事実を私たちにつ
きつけているように思います。
福力