校長ブログ

2017年03月18日

あれから6年

昨日、前橋地方裁判所で、国と東京電力に対し、計3,855万円の支払い
を命じる判決が下されました。東京電力に対しては、安全より経済合理
性を優先したとし、特に非難に値するとしています。

昨年、大阪市内の小さな映画館で『太陽の蓋』というドキュメンタリー
映画を見たのですが、あらためてあの福島第一原子力発電所の事故で、
どれほどの事態が現場で起こっていたのか、またそのうちどれほどの真
の情報が国民に知らされていたのかを知って愕然とさせられました。
裁判所が判決で断罪しているように、東電は2008年に原子力発電所付近
に15.7mの津波が来ることを試算していました。この試算に基づいて高台
に非常用発電機を設置していれば、その後の原発の状況はまるで違ってい
たでしょう。判決にあるように、安全よりも経済合理性を優先させた結果
なのでしょうか。その結果起きた被害の大きさを考えると、それだけが設
置しなかった理由とは、俄には信じがいものがあります。
そして、あの被害の大きさに比して62名の被災者に3,855万円という額は
あまりにも少ない気がします。
福力