校長ブログ

2018年07月14日

マイクロプラスチック

NHKのラジオ(「NHKマイあさラジオ」)を聞いていて、「マイクロプラスチック」
という言葉があることを知りました。このマイクロプラスチックとは、直径5mm以下
のプラスチックの欠片のことで、海に捨てられたプラスチック製品が、波や紫外線の働
きで、細かく砕かれた結果できた、いわゆる「ごみ」です。
世界経済フォーラムは、2016年に、このマイクロプラスチックが毎年800万トン、海に
流れ込んでおり(すでに1億5千万トンが蓄積されている)、このままいけば、2050年ま
でに、その総重量は、海中の魚の総重量を上回るという報告書を出しているそうです。
東京農工大学の高田教授によると、このマイクロプラスチックが、人体に大きな影響を
与えているという証拠はまだないものの、その総量が増え続けると、何らかの影響が出
てくることが懸念されるとのことです。

これらの懸念から、米国では「マイクロビーズフリーウォーター法」が、今年7月より
施行、洗顔料や歯磨き粉に使われていたマイクロプラスチックが使えなくなりました。
またフランスでは、2020年1月より、すべてのプラスチック製の使い捨て容器等が禁止
されるとのこと。スターバックスが、2020年までにプラスチック製のストローを廃止
するとの方針を出したことは、つい最近、ニュースにもなりました。

 

これと関連して、日本で最近、大きなニュースになっているのは、ペットボトルのリサ
イクルが破綻しているということです。これまで80%を超える回収率を誇っていたペット
ボトル。リサイクルがうまく回っていると思っていましたが、そのリサイクルは、実は
大量に廃棄されたペットボトルを中国に輸出することで、成立していたのだそうです。
ところが、中国がそのペットボトルを今年から輸入禁止にした結果、今、日本でリサイク
ルされた大量のペットボトルが、その行き場を失っています。
先の高田教授も、番組で指摘されていたのですが、日本でもリサイクル(再資源化)では
なく、リデュース(削減)する方向に大きく舵を切らねばならない時が来ているのかも
知れません。
福力