2017年08月29日
前回からの続きです。今回がこの項の最後です。
・群馬大学医学部、古川研教授の証言(本書137ページ)
「(機体)前部の遺体には損壊や焼損が目立ち、衝撃のすさまじさと主翼の燃料タン
クの火災の影響を受け、焼損遺体の中には部位も判然としないものがあり、通常の
家屋火災現場の焼死体をもう一度焼損したようにみえた」
→遺体の一部は「完全炭化」と呼ばれるほど、歯や骨の中心まで炭化した状態であった。
飛行機のジェット燃料は、成分的にはほぼ灯油と同じで、木々が林立する山に墜落し
た飛行機が、どうしたら人体を炭化させるほど燃えるのかが最大の疑問と青木さんは
言う。現場には燃焼タンクから遠いところまで燃焼した痕跡があり、現場で救援活動
に従事した人からは、ガソリンとタールを混ぜた強い異臭がしたという証言がある。
この証言から、青木さんは、現場でガソリンとタールを混ぜたゲル状燃料(軍用の武
器の一種)が使われたのではないかと見る。
・上で取り上げた証言以外にも、墜落直前の日航機に寄り添った赤い円筒形もしくはだ
円の物体を見た証言が複数ある。著者の青木さんは、これは誘導弾、つまりミサイル
ではないかと推定している。
それでは、これらの証言から導き出される事実とは何なのでしょうか。
著者の青木さんは、何らかのミスで訓練用のミサイル(炸薬非搭載)が日航機に接触、
これが原因で同機が墜落し、この真の原因を隠蔽するために、墜落場所は10時間にわた
って特定されず、その間に、物的証拠となるものは、ゲル状燃料で焼き払われたか、持
ち去られたのではないかというのです。俄には信じがたい話です。しかしそう推定すると、
多くの証言と事故報告書との矛盾が解消されるのです。
日々多くの事件や事故が起こる中、忘れ去られてはならないものがここにある、解決済
みとは思えないものがここにある、そう強く感じさせられました。
この123便のボイスレコーダー全体は、遺族への配慮という理由で、今だ公開されてい
ないということも、本書を読んで初めて知りました。
※本書は図書室に寄贈しておきます。
福力