2017年06月13日
先月、第4回の高校生直木賞が、須賀しのぶさんの『また、桜の国で』に
決定しました。あまり世間では話題に上っていないのですが、高校生直木
賞は今回で4回目。制度としては、すっかり定着したものになりました。
これまでの第1回から第3回までの作品を読んできた私としては、今回は
どんな作品が選ばれたのだろうと興味津々でした。
そして、これまで高校生がこれを選んだのかという驚きと、日本の高校生も
捨てたものではないな(失礼)と思わされ続けてきたのですが、今回の作品
は、これまでで一番驚きと感動に満ちた本でした!これを選んだ高校生に
感謝です。
新刊本で約500ページ。最初は読み始めるのをためらいました。しかし少し
ずつ著者の世界に引き込まれていき、最後の100ページは、「革命のエチュ
ード」を聞きながら一気に読み終わりました。おかげでここ1週間、大分、
睡眠時間は少なくなりましたが。
ネットに上げられている実行委員会代表の伊藤氏のコメントを読むと、どう
やら最初は恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』が候補のトップだったらしい。しかし、
次のような高校生のコメントが、この作品に寄せられたようです。
・受賞作は、ポーランドの戦争の物語ということにとどまらず、しっかりと友
情の物語を描くことで、時代を超えた人間性を感じられる作品でした。
成城高等学校(東京都)2年 石井拓樹(いしい・ひろき)さん
・受賞作は、第二次世界大戦を、ポーランドを舞台にした新鮮さ、主人公のア
イデンティティの問題など、いろいろと考えさせられる作品でした。
国際基督教大学高等学校(東京都)3年 飯田真由(いいだ・まゆ)さん
※いずれも高校生直木賞のHPから抜粋(http://koukouseinaoki.com/)
やはり本の力はすごいですね。あらためてそう感じました。この本、本校の図
書室にあります。
福力