校長ブログ

2017年08月5日

AI暴走?

前回もAIの話題を取り上げましたが、今回もAIについての話題です。
インディペンデント紙(2017.8.1電子版)の報道によると、Facebookが研究開発に取り
組んでいるAIが、人間に理解できない言葉を独自に創作し、会話をしていたといいます。
ネットでは、「すわAIが暴走か?」などと、ちょっとした騒動になりました。
事実はどうなのでしょうか?
この事件は、Facebookが開発している2つのチャットボット(※AIを活用した自動会話
プログラム)の間で起きました。研究者は、この2つのチャットボットで物(帽子、ボ
ール、本)の交換を行う会話をするよう命令したところ、しばらくするとこの2つのチ
ャットボット(※ボブとアリスという名前が付けられていたようです)で、研究者が理
解できない言語をつくりだして会話をするようになったのです。その会話は次のような
ものでした。

ボブ ”i can i i everything else ............”
アリス”balls have zero to me to me to me to me to me to me to me to me to me”
ボブ ”you i everything else ............”
アリス”balls have a ball to me to me to me to me to me to me to me”

英語としては意味不明なこのセンテンス、2つのAIには理解できていたようで、その後
も研究者が理解できない会話が続いたため、一端、Facebookはボブとアリスをシャット
ダウンしたとのこと。
推測にすぎませんが、例えばアリスがto meを繰り返しているのは、繰り返した数だけア
イテムが欲しいという意味ではないかとも言われています。
通常の言語を使っている人間でも、言語を簡略化したり、業界でしか通用しない言語で話
したりしますが、同じようなことがAIでも起こったということなのかも知れません。
それにしても、人間と同じような事が起こるということ自体、AIの進化を物語っているよ
うで、その進化が人間に比べて幾何級数的な速さで今後進むと思うと、少し背筋が寒くな
りました。
福力